HubSpotは、CRM(顧客関係管理)を中核に、マーケティング・営業・カスタマーサービス・コンテンツ管理などの機能を一元化したカスタマープラットフォームです。
無料から始められる柔軟な料金体系と、AIを搭載した自動化機能が特徴で、スタートアップから大企業まで幅広く活用されています。
本記事では、HubSpotの機能・料金・導入事例を最新情報をもとに詳しく解説します。
HubSpotとは?(サービス概要・市場背景)
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サービスの定義・一言説明
HubSpotは、マーケティング・営業・カスタマーサービスの業務をつなぐAI搭載のカスタマープラットフォームです。
特に、CRMを基盤として複数の「Hub(ハブ)」製品を組み合わせて使えるのが特徴です。
それにより、必要な機能だけをピックアップして導入できます。
生まれた背景・解決する課題
従来の企業は、MA(マーケティングオートメーション)・SFA(営業支援)・CRM・カスタマーサポートをそれぞれ別々のツールで管理していました。
その結果として、データの分断・連携工数・コスト増加が常態化していました。
HubSpotはこうした課題を「オールインワン」で解決するために設計されています。
顧客情報がひとつのプラットフォームに集約されることで、マーケティング・営業・サポートの各チームが同じデータをリアルタイムで参照でき、部門間の連携が飛躍的に向上します。
運営会社の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | HubSpot, Inc.(米国) / 日本法人:HubSpot Japan株式会社 |
| 設立 | 2006年(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ) |
| 導入実績 | 世界135か国以上、268,000社以上(2025年8月時点) |
| 日本語対応 | あり(UI・サポート・ナレッジベースすべて対応) |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
HubSpotの主な機能一覧
HubSpotは用途に応じた複数の「Hub」で構成されています。
それぞれ独立して導入可能で、組み合わせることでより高い効果が得られます。
Marketing Hub(マーケティングハブ)
インバウンドマーケティングに特化した製品です。
リード獲得から育成・分析まで、マーケティング活動を一元管理できます。
- メールマーケティング・シーケンス配信:セグメント配信・A/Bテスト・開封率追跡
- ランディングページ・フォーム作成:コーディング不要でLP・問い合わせフォームを作成
- マーケティングオートメーション(ワークフロー):条件分岐に基づいた自動メール送信・タスク生成(Professional以上)
- SNS・広告管理:Facebook・Instagram・Googleなどの広告をHubSpot上で一括管理
- 予測リードスコアリング(Enterprise):AIがリードの優先順位を自動判定
Sales Hub(セールスハブ)
営業活動の効率化・可視化・自動化を支援するSFA機能を持つ製品です。
- 案件(商談)管理・パイプライン管理:セールスファネルをビジュアルで管理
- メールトラッキング・テンプレート:開封・クリックをリアルタイムで通知
- シーケンス(自動フォローメール):見込み客への一連のアプローチを自動化(Professional以上)
- ミーティングリンク作成:カレンダー共有で商談日程調整を自動化
- フォーキャスト(売上予測):目標に対する達成率をリアルタイムで予測(Professional以上)
- AI営業アシスタント(Breeze):商談メモの自動生成・提案内容のサジェスト
Service Hub(サービスハブ)
カスタマーサポートの効率化と顧客満足度向上を支援する製品です。
- チケット管理:メール・フォーム・SNSなど複数チャネルの問い合わせを一元管理
- ナレッジベース構築:FAQ・ヘルプドキュメントの作成・公開(Professional以上)
- 顧客フィードバックアンケート(NPS・CSAT)(Professional以上)
- カスタマーポータル:顧客がチケットの進捗を自分で確認できる画面(Professional以上)
- SLA管理:対応期限・エスカレーションの自動設定(Professional以上)
Content Hub(コンテンツハブ)
旧CMS Hub。Webサイト・ブログ・ランディングページを一元管理するコンテンツ管理製品です。
- Webサイト・ブログの作成・編集(コーディング不要)
- スマートコンテンツ(閲覧者属性に合わせたコンテンツ出し分け)
- AIコンテンツ生成ツール(Breezeコンテンツエージェント)
- 多言語コンテンツ管理
Operations Hub(Data Hub)
複数システム間のデータ連携・自動化・データ品質管理を担う製品です。
- 外部アプリとのデータ同期
- カスタムワークフロー・データクレンジングの自動化
- Snowflake連携によるデータ共有(Enterprise)
Commerce Hub(コマースハブ)
見積・請求・決済をHubSpot内で完結させる製品です。
月額固定料金なし(トランザクション手数料のみ)という特徴があります。
HubSpotの料金プラン

HubSpotは「無料プラン+3段階の有料プラン」で構成されています。
2024年3月の料金改定により、従来のユーザー数パッケージ制からシート単位の課金に移行しました。
| プラン | 無料 | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 月額料金 | ¥0 | ¥1,080/月/シート | ¥96,000/月 | ¥432,000/月 |
| 概要 | リード創出・メール・成果測定 | マーケティング・セールス・サービス・コンテンツ・データ管理 | 大規模需要創出・マーケティング自動化・アナリティクス・キャンペーン | 高度なマーケティング自動化・データ・ガバナンスで収益成長を拡大 |
| コアシート | — | — | 3シート含む(追加¥5,400/月〜) | 5シート含む(追加¥9,000/月〜) |
| HubSpotクレジット | — | 500 | 3,000 | 5,000 |
| マーケティングコンタクト | — | 1,000 | 2,000 | 10,000 |
| 備考 | クレカ不要 | 年額払いで¥1,080(月額¥2,400) | 導入支援費¥360,000別途 | 導入支援費¥840,000別途 |
シートとは?
HubSpotでは、ユーザーに付与する「利用権限」の単位を「シート」と呼びます。
シートには以下の4種類があります。
| シート種別 | 概要 | 対象 |
|---|---|---|
| 表示のみ | データ閲覧専用(無料) | 経営層・他部門のレポート閲覧ユーザー |
| コアシート | CRM・MA・Content Hubなどの編集権限 | マーケティング担当者・管理部門 |
| Salesシート | コアシート+Sales Hub上位機能(シーケンス・フォーキャスト等) | 営業担当者 |
| Serviceシート | コアシート+Service Hub上位機能(アンケート・プレイリスト等) | カスタマーサポート担当者 |
※SalesシートとServiceシートはProfessional・Enterpriseプランのみ
無料プラン
- CRM(コンタクト管理・パイプライン・ダッシュボード)を無制限に無料利用可能
- メールマーケティング・フォーム・ランディングページの基本機能
- Webチャット・チケット管理の基本機能
- 最大5ユーザーまで
Starterプラン
各Hub単体で月額約1,800円〜(年払い・コアシート1名、為替変動あり)。基本的な自動化・制限緩和が中心です。
- セールスオートメーション(タスク・通知の自動化)
- 通話時間の上限引き上げ
- HubSpotロゴの削除
- 1対1テクニカルサポート
Professionalプラン
各Hub単体で月額数万円〜(年払い・複数シート含む、為替変動あり)。自動化・分析・チーム管理を本格活用できます。
- ワークフロー自動化(本格的なMA・SFA自動化)
- カスタムレポート・ダッシュボード
- シーケンス機能(Sales Hub)
- ナレッジベース・カスタマーポータル(Service Hub)
- Salesforceとのシームレス連携
- ※Professional・Enterpriseプランでは、オンボーディング費用が別途必要
Enterpriseプラン
各Hub単体で月額数十万円〜(年払い・複数シート含む、為替変動あり)。大規模チーム・複雑な組織構造に対応します。
- 予測リードスコアリング(AI)
- カスタムオブジェクト
- シングルサインオン(SSO)
- ユーザーロール・チーム管理
- Snowflakeベースのデータ共有(Operations Hub)
- カスタマージャーニーアナリティクス
Customer Platform(旧CRM Suite)
Marketing Hub・Sales Hub・Service Hub・Content Hub・Operations Hubをまとめて使えるパッケージプランです。各Hub個別契約より割安になります。詳細は公式サイトでご確認ください。
HubSpotのメリット・デメリット
メリット
1. CRMが完全無料で使える
コンタクト管理・パイプライン・ダッシュボードといったCRMの基本機能は、ユーザー数の制限(5名まで)はあるものの無料で利用できます。
スモールスタートしやすく、導入ハードルが低い点が大きな強みです。
2. マーケティング・営業・サポートを一元管理できる
Marketing Hub・Sales Hub・Service Hubがひとつのプラットフォーム上に統合されているため、部門間でのデータ分断が発生しません。
それにより、マーケで獲得したリードがそのまま営業のパイプラインへ流れ、商談後のサポート対応まで同一のコンタクトデータで管理できます。
3. 日本語対応・国内サポート体制が充実
UIはもちろん、ナレッジベース・チャットサポート・電話サポートまで日本語対応しています。
国内の認定パートナーも多数あり、初めて導入する企業でも安心です。
4. AI機能(Breeze)が標準搭載
2025年以降、AIアシスタント「Breeze」が各Hub全体に統合されています。
これによって、商談メモの自動生成・コンテンツ作成・予測スコアリングなど、業務効率化につながるAI機能を追加費用なく活用できます(クレジット制)。
5. 豊富な外部連携
Gmail・Outlook・Slack・Salesforce・Shopifyなど、1,000以上のアプリと連携可能。
既存のツールスタックに組み込みやすいのが特徴です。
デメリット・注意点
1. 料金体系が複雑で、コストが読みにくい
シート種別・Hub種別・マーケティングコンタクト数・オプションの組み合わせが多く、見積もりが複雑になりがちです。
特にProfessional以上では、初回オンボーディング費用が別途必要となる点に注意が必要です。
また、為替レートの影響を受けるため、円安局面では実質的な値上がりになる場合があります。
2. Professional以上へのアップグレードで費用が大幅に増加する
StarterからProfessionalへの移行は、料金が数十倍規模になる場合があります。
特に、ワークフロー・カスタムレポート・シーケンスなどが必要になった時点で費用が跳ね上がるため、導入前に中長期の利用計画を立てておくことが重要です。
3. 全機能を使いこなすには習熟期間が必要
機能が非常に豊富なため、全体像を把握して活用するには一定の学習コストがかかります。Professionalプラン以上では、オンボーディングサポートを活用して計画的に導入することを推奨します。
HubSpotはこんな企業・人におすすめ

| こんな課題がある企業 | おすすめの理由 |
|---|---|
| マーケ・営業・サポートのデータがバラバラで連携できていない | 一元管理プラットフォームとして最適 |
| CRMをまず無料で試したいスタートアップ・小規模企業 | 完全無料のCRM機能で即スタート可能 |
| インバウンドマーケティング(コンテンツ・SEO)に注力したいBtoB企業 | Marketing Hubとコンテンツ管理機能が強力 |
| 営業の属人化を解消してプロセスを標準化したい成長期の企業 | Sales Hubのパイプライン・シーケンス管理が有効 |
| 複数のMAやSFAツールのコスト・管理コストを削減したい企業 | Customer Platformで一本化してコスト最適化 |
一方で、すでにSalesforceなど特定ツールへの投資が深い大企業や、非常に複雑なカスタマイズが必要なエンタープライズ用途には、Salesforceなど他のCRMプラットフォームとの比較検討も推奨されます。
HubSpotの導入事例・口コミ
レバレジーズ株式会社(人材・インターネットメディア事業)
課題:CRM・SFAを導入しておらず、複数のスプレッドシートで顧客情報を管理していたため、事業部間でのアプローチ状況の把握が困難だった。
施策:人材系3サービス(ハタラクティブ・キャリアチケット等)でHubSpot CRM・Sales Hubを導入。その後Marketing Hubも追加導入し、マーケティングチームとの連携も強化。
成果:全営業メンバーが顧客ステータスをリアルタイムで参照できるようになりコミュニケーションミスが激減。「複数スプレッドシートにアクセスする必要がなくなった」「過去のやりとりを踏まえた深いコミュニケーションが取れるようになった」との評価を得ている。
出典:HubSpot公式サイト「レバレジーズ株式会社 導入事例」 レバレジーズ株式会社の導入事例
株式会社soraプロジェクト(テレアポ・インサイドセールス代行)
課題:既存の営業管理ツールで年間約500万円のコストと大きな工数が発生。マーケティング専任スタッフが約1ヶ月、導入作業にかかりきりになっていた。
施策:コスト削減とCRM・SFA・MAの一体化を目指し、HubSpotへ乗り換え。
成果:ツールコストが以前の約5分の1に削減。営業の進捗状況がすべて可視化され、商談の「読み」も管理できるようになった。
出典:営業DX.jp「HubSpotの導入事例10選」(HubSpot公式情報をもとに作成) HubSpotの導入事例10選!利用の背景や成果を詳しく紹介!
アンカー・ジャパン株式会社(ハードウェアブランド)
課題:「Anker」「Soundcore」「Eufy」など複数ブランドを展開する中で、営業とカスタマーサポート業務の増加・複雑化が課題に。
施策:Sales Hub Professionalを導入し、SFAで顧客ステータスを自動可視化。カスタマーサポートには「スマートフォーム機能」を導入し、問い合わせ内容に応じてフォームが自動調整される仕組みを構築。
成果:営業・サポート双方の業務効率化と、顧客対応品質の向上を実現。
出典:hubspot.100inc.co.jp「HubSpot導入事例まとめ」(HubSpot公式情報をもとに作成) HubSpotの導入事例を紹介!マーケティング、営業、カスタマーサポートまで幅広く活用できるHubSpotの事例、導入を成功させるためのポイントを解説!
HubSpotの導入手順

STEP 1:無料アカウントを作成する
公式サイトからメールアドレスのみで無料登録可能。クレジットカード不要で即日利用開始できます。
STEP 2:CRMにコンタクト・会社情報を登録する
既存のスプレッドシート・名刺データなどをCSVインポートで一括取り込みできます。GmailやOutlookと連携すれば、メール送受信の履歴も自動的にCRMへ記録されます。
STEP 3:必要なHubを選択・プランを決定する
自社の最優先課題(マーケティング強化・営業効率化・サポート改善)に合わせて、導入するHubとプランを選択します。まずはStarterから始めて、機能要件が増えたタイミングでProfessionalへ移行するスモールスタートが推奨されます。
STEP 4:有料プランの場合はオンボーディングを受ける
Professional・Enterpriseプランでは、オンボーディングサポートが提供されます(費用別途)。認定パートナー企業への相談も可能です。
STEP 5:チームへの展開・運用開始
HubSpot Academyの無料トレーニング・認定資格プログラムを活用して、チーム全体のスキルアップを進めながら運用を定着させます。
HubSpotと競合サービスの比較
| 項目 | HubSpot | Salesforce | kintone |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | あり(CRM) | なし | なし |
| 対象規模 | スタートアップ〜大企業 | 中規模〜大企業 | 中小〜大企業 |
| 強み | MA・SFA・CRMの一元化、導入しやすさ | 高度なカスタマイズ性・エンタープライズ対応 | 柔軟なカスタマイズ・国産 |
| 弱み | 料金体系が複雑・為替リスク | 導入・運用コストが高い | MA機能は別途連携が必要 |
| 日本語サポート | 充実 | 充実 | 充実 |
| 初期費用 | 無料〜(Proは別途オンボーディング費) | 要見積もり | 要見積もり |
よくある質問(FAQ)
Q1. 無料プランでどこまで使えますか?
CRMの基本機能(コンタクト管理・パイプライン・ダッシュボード)、メールマーケティング・フォームの基本機能、Webチャット・チケット管理の基本機能が無料で使えます。ただし最大5ユーザーまでの制限があります。高度な自動化(ワークフロー)や詳細なカスタムレポートには有料プランが必要です。
Q2. 中小企業でも導入できますか?
はい。Starterプランは1シートからの契約が可能で、小規模チームでも低コストで導入できます。まず無料のCRMから始めて、必要になった段階でStarterや上位プランへ移行するスモールスタートが特に推奨されます。
Q3. 既存のシステム(Salesforce・Googleなど)と連携できますか?
1,000以上のアプリと連携可能です。Salesforce・Gmail・Outlook・Slack・Shopifyなど主要ツールは公式インテグレーションとして提供されています。Operations Hubを活用することで、さらに柔軟なデータ連携・同期が可能になります。
Q4. 導入にどれくらいの期間がかかりますか?
無料プランやStarterプランであれば、アカウント作成後すぐに利用開始できます。Professionalプランの本格導入は、オンボーディング込みで1〜2ヶ月程度が一般的です。既存ツールからのデータ移行や社内展開を含めると、さらに期間が必要になる場合があります。
Q5. セキュリティ面は安心して使えますか?
HubSpotはSOC 2 Type IIやGDPR対応など、国際的なセキュリティ基準を満たしています。Enterpriseプランではシングルサインオン(SSO)・詳細なユーザーロール管理にも対応しており、大企業のセキュリティ要件にも応えられます。
Q6. 料金はなぜわかりにくいのですか?
HubSpotの料金は「使うHub・プランの段階・シートの種別・マーケティングコンタクト数・オプション」の組み合わせで決まるため、複雑に見えます。最初にどの業務課題を解決したいかを明確にし、必要なHubとプランに絞って検討することで、費用感が整理しやすくなります。詳細な見積もりは公式サイトで確認するか、認定パートナーへの相談も有効です。
まとめ
HubSpotは、CRMを無料から使えるオールインワンのカスタマープラットフォームです。Marketing Hub・Sales Hub・Service Hubを統合することで、マーケティング〜営業〜カスタマーサポートのデータを一元化でき、部門をまたいだ顧客対応が格段にスムーズになります。
2024年の料金改定でシート単位の柔軟な課金に移行し、スタートアップ〜中規模企業でも導入しやすくなりました。一方で、Professionalプラン以上への移行時のコスト増や、為替リスクによる実質値上がりには注意が必要です。
こんな企業に向いている:CRM・MA・SFAをまとめて効率化したいBtoB企業、インバウンドマーケティングを強化したい企業、スモールスタートで段階的に拡張したい成長期の企業。
こんな企業には慎重な検討を:特定ツールへの投資がすでに深い大企業、極めて複雑なカスタマイズが必要な業務要件がある企業。
まずは無料プランでCRMとしての基本機能を体験し、自社の業務フローとの相性を確かめてみることをおすすめします。
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